媒介契約|メリット・デメリットの本音と建て前 その1
2022/11/14
みなさま、こんにちは!
近頃,インターネットで見る媒介契約の説明が実情とあまりに差があり疑問だらけ???
一括査定サイトへ誘導するようなものも多いですよね。一括査定サイトは利用者を増やすことにより不動産会社に1件につき1万円から2万円ほどで査定依頼の情報を売ることが目的なんです。
不動産会社には専任媒介契約への誘導方法などを教えて提携会社を増やすことにより多くの利用料を得ているのです。
でもこれって売却依頼者の方にはほとんどメリットはないんですよね。
だからこそみなさまに真実を知ってもらうために媒介契約の「メリット・デメリットの本音と建て前」を本日から3回に分けて投稿することにしました。
インターネットで検索されて不動産売却する際の媒介契約についてはご存じの方も多いと思いますが、まずは媒介契約の種類についてご説明させていただきます。
下記表が皆さんが良く目にする媒介契約の説明だと思います。
表:媒介契約の比較一覧(一般論)
一般 媒介契約 |
専任 媒介契約 |
専属専任 媒介契約 |
|
契約できる不動産会社数 | 何社でも可 | 1社のみ | 1社のみ |
契約外の不動産会社での仲介 | 営業経費を支払うことで可能 | 違約金が発生する | 違約金が発生する |
売主が自身で買主を探しての成約 | 可能 | 営業経費を支払うことで可能 | 違約金が発生する |
売主への状況報告義務 | 無し | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
指定流通機構「レインズ」への登録義務 | なし | 契約締結から7日以内 | 契約締結から5日以内 |
契約期間 | 無制限(行政の指導では3ヵ月以内) | 3ヵ月以内 | 3ヵ月以内 |
しかし!?本当はこんな感じです。
表:媒介契約の比較一覧(真実)
一般 媒介契約 |
専任 媒介契約 |
専属専任 媒介契約 |
|
契約できる 不動産会社数 |
何社でも可 (明示型・非明示型等がある) |
1社のみ | 1社のみ |
契約外の 不動産会社での仲介 |
営業経費を支払うことで可能な場合も | 違約金が発生する場合がある | 違約金が発生する場合がある |
売主が自身で 買主を探しての成約 |
可能 | 営業経費を支払うことで可能な場合も | 違約金が発生する場合がある |
売主への 状況報告義務 |
無し(ただし通常は報告してもらえる) |
2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
指定流通機構「レインズ」への登録義務 |
無し(ただし頼めば登録してもらえる) | 契約締結から7日以内 | 契約締結から5日以内 |
契約期間 | 無制限(行政の指導では3ヵ月以内) | 3ヵ月以内 | 3ヵ月以内 |
これだけでも少しイメージが変わると思うんです。
次に各媒介契約のメリット・デメリットを見てみましょう。
まずは売却の依頼者様の行動に一番制約が多い『専属専任媒介』のメリット・デメリットからいきましょう。
|『専属専任媒介契約』のメリット
メリット①:不動産会社が積極的に活動してくれる
専属専任媒介契約では、不動産の売却活動を1社だけに依頼することになるので依頼を受けた不動産会社?(会社とゆーか担当者)は成約して仲介手数料を得るために積極的に活動します。結果的に早く売れる可能性が高くなります。(建前)
↑(本音)一般媒介や専任媒介でも仲介手数料は成功報酬です。まともな不動産会社ならしっかりと販売活動してくれます。だって広告費やお問い合わせ頂いたお客様の対応など少なからず経費が掛かりますし売る気がないなら媒介契約はしません。1社のみにお願いすると他社との競争がなく、営業が活発でないことがあります。
そして専属専任媒介契約だから早く成約するなんてことはまずありません。
メリット②:活動窓口が一本化できる
物件情報がレインズに掲載されると、さまざまな不動産会社を媒介して購入希望者が紹介されます。その際、媒介契約先の不動産会社が物件に関する問い合わせや内見の際のスケジュール調整などの連絡を入れてきますが、一般媒介で複数の不動産会社と契約しているとそれぞれ別々に対応しなければなりません。
窓口が1社の専属専任媒介なら、それらを不動産会社が間に入って依頼者につないでくれるため、依頼者の負担が軽減されます。(建前)
↑(本音)レインズへ掲載し購入希望者に紹介される点についてはどの媒介契約でも同じです。
依頼者の負担が減るのは本当です。しかし「囲い込み」と表裏一体!?
メリット③:各社のサービスを利用できる場合がある
最近は、ホームステージングやハウスクリーニング、買取保証など、利用できれば売却活動にプラスになるサービスをいろいろと備えている不動産会社もありますが、契約形態によって受けられるサービスが違っている場合があります。瑕疵保証を付けてくれる大手仲介会社も多いです。(建前)
↑(本音)宅建業者による売主再販物件以外でホームステージングをしている仲介物件はまず見かけません。そもそも家具の搬入搬出が手間ですし物件をキズつける恐れも。ハウスクリーニングについても中古物件はリフォームやリノベーションを前提に購入される方が多く、売却価格に影響することはほとんどありませんしご自身で掃除して頂くだけで十分です。
また引き渡し後のトラブルが不安な場合は瑕疵保証などはどこの不動産会社でも数万円程度で1,000万円の保証がつけられます。設備保証についても同様です。
買取保証は正直あまりメリットにはなりません。(買取保証とは一定期間中に売れなかったら安く買い取られるという保証なのか?と疑問が残るサービスのため)
専属専任媒介契約をするほどのメリットはないと思います。
メリット④:不動産会社からの報告頻度が高く設定されているので、売主が販売状況を把握しやすい。
専属専任媒介契約の場合、法令で1週間に一度の業務報告が義務付けられています。そのため売却活動の内容を把握しやすい。(建前)
↑(本音)最近では他の媒介契約でも業務報告をしてくれる会社は多くあります。お願いして断られるようでしたらその不動産会社との媒介契約はやめておいた方が良いでしょう。
|『専属専任媒介契約』のデメリット
デメリット①:自分で買主を見つけることができない
専属専任契約では、売り主自身が見つけた買主と直接契約することができません。例えば、売り主が自宅を売却することを知った友人が、物件を気に入ってくれて売買したいとなった時でも、直接契約することはできません。この場合は、専属専任を結んだ仲介会社を挟んで契約を取り交わす必要があります。(建前)
↑(本音)そもそも重要事項説明書や契約書など宅建業者が作成した書類がなければ住宅ローンなどの融資は利用できません。こちらがデメリットとなることはあまりないと思います。
デメリット②: 不動産会社選びに失敗する可能性がある
専属専任媒介契約の場合、契約を締結できる会社は1社に絞られています。そのため仮に選んだ不動産会社の営業力が弱い場合には物件が売れない可能性もあります。また1社のみに販売をお願いすると他社との競争がなく、営業が活発でないことがあります。そして仲介会社を替えたい場合には再度別の不動産会社を探し、一から契約をやりなおす手間も発生します。(建前)
↑(本音)これは本当に気を付けてほしいです。不動産会社というよりは担当者の力量によるところが大きいです。
デメリット③:囲い込みを行う可能性がある
囲い込みとは、不動産会社が売主、買主双方から仲介手数料をもらうために、他の不動産会社からの購入希望者の問い合わせに対して「既に申し込みがあり購入希望者が決まっています」「契約の手続き中です」などと嘘の報告を行い、他社での購入の仲介を行わせないことを言います。
囲い込みを行うと、不動産会社は売主・買主双方から仲介手数料を得ることができるため、値下げを行ってでも自社で双方の仲介を行った方が利益が上がります。このため囲い込みを不動産会社が行った場合には、売却時期が遅くなる、売却額が低くなるといった不利益が生じます。(建前)
↑(本音)1社に任せてしまうとこういったことが起こりがちです。
|専属専任媒介契約が向いている人
ここまで、1社の不動産会社へのみ売却活動を依頼する専属専任媒介契約のメリットとデメリットを紹介していきました。メリットとデメリットを踏まえて、専属専任媒介契約に向いている人がどのような方なのかを解説していきます。
・物件の条件が良くない人(建前)
↑ (本音)たしかに不人気で販売の難しい物件であれば1社にお願いした方がいろいろ楽ではあります。
・相場価格よりも高く売りたい人(建前)
↑ (本音)何の根拠もありません(-_-;)
・いろいろな手厚いサービスを受けたい方(建前)
↑ (本音)瑕疵保証などほとんどすべてのサービスは一般媒介でも安価につけることができます。
唯一おススメする場合は所有する不動産が、人気エリアではなく、駅から遠いなど立地条件が悪く買主がすぐに見つかりそうではない場合や物件に物理的・精神的・権利上の問題、瑕疵などがある場合です。
人気物件の場合には、一般媒介契約の方が早くそして高く売却できる可能性が高まります。またご自身で購入希望者を見つける可能性がある場合には、ほかの媒介契約の方が良いでしょう。
次回は専任媒介についてご説明します。ではまた次回で==3
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