空き家どうする? 特定空き家から売却方法までを徹底解説
2023/09/06
国土交通省の調査によると、全国の空き家は820万戸を超えています。突然の相続などで「空き家をどうしたらいいのだろう」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。空き家は「知らなかった」では済まないリスクを抱えています。
今回は、空き家問題に悩んでいる人が知っておきたい注意点と特定空き家について、そして賢い売却方法まで徹底解説します。
・空き家の対処に困ったときの注意ポイント
空き家は対処方法を間違えると大きな問題やリスクを抱えることがあります。まずは、これだけはやってはいけない注意ポイントをお話しします。
<放置は最大のリスク>
相続や転居など、空き家問題は突然やってきます。空き家問題に直面したとき、多くの人は「とりあえず誰も住んでいないから放っておこう」と考えがちです。しかし、誰も住んでいないからこそ放置は最大のリスクになります。
大きなリスクは2つあります。1つ目は税金です。例えば親が住んでいた実家が空き家となった場合、親が支払っていた固定資産税は家を相続した人が支払うことになります。固定資産税は空き家だろうが関係なく支払う義務があります。空き家の固定資産税は土地と家屋の両方にかかるため、毎年10万円以上になることも多いのです。2つ目は劣化です。家は人が住まなくなると急激に劣化します。ときには動物が住みついたり外壁や屋根が損傷したりして、近隣に迷惑をかける可能性もあるのです。また、強風などで家屋が吹き飛んで通行人にけがをさせたりした場合には損害賠償請求されるリスクがあります。状況が悪くなれば「特定空き家」に指定されることもあります。
<とりあえず更地にするとコストがふくらむ>
「家屋にかかる固定資産税をゼロにするために家屋を壊して更地にしよう」や「更地にすれば動物が住みついたり倒壊したりする心配はない」と考える人がいるかもしれません。しかし「とりあえず更地にする」は避けましょう。なぜならば、更地にすると家屋にかかる税金は浮いても、土地が固定資産税の住宅用地特例の対象外となり、固定資産税は最大6倍に跳ね上がることがあります。さらにその土地が再建築不可だったら、土地の売却はかなり難しくなるでしょう。
戸建て1件を取り壊す費用はおおむね200万円程度です。200万円もかけて更地にしたのに税金があがったり、売れにくくなったりするなら「いっそ放っておいた方がいい」と考える人が増えていることも空き家が増えている一因かもしれません。
・特定空き家とは?
空き家は、個人の問題だけでなく社会問題にも発展します。空き家が多くなれば住民が減り、治安は悪くなり、町全体に悪影響を及ぼします。そこで国は空き家問題に対処するため、2015年に「空き家対策特別措置法」を制定しました。自治体がリスクのある空き家を「特定空き家」に指定し、持ち主に対して助言や指導、勧告や命令を行うことになりました。特定空き家に当てはまる条件とは「衛生上有害」「近隣の生活環境に悪影響を与える」「劣化が進み倒壊するリスクがある」「著しく景観を損なっている」です。
・特定空き家に指定されるとどうなる?
特定空き家に指定されると市町村長の助言と指導が行われます。また持ち主に対して処罰があります。
ここからは、処罰の具体的な内容を解説します。
<固定資産税等が高くなる>
特定空き家に指定されると「ゴミを除去してください」「劣化している箇所を修繕してください」のような助言と指導がされます。助言も指導も無視した場合、書面で勧告されます。勧告された翌年度からは固定資産税の住宅用地特例の対象から外され、固定資産税が跳ね上がります。
<放置を続ければ行政代執行の可能性もあり>
勧告も無視してさらに放置を続ければ猶予期限が設けられて命令が下ります。命令を無視した場合は50万円以下の罰金が課せられます。さらに放置を続けたら、自治体は事前の通知を行い行政代執行に踏み切ります。行政代執行とは、空き家の持ち主に代わって自治体が空き家の解体などを行うことです。執行にかかった費用は、持ち主に請求されます。
・空き家の賢い売却方法
空き家を放置してもいいことはありません。売却するメリットは、現金収入になることと固定資産税を支払う必要がなくなることです。そして精神的な負担がなくなることも大きなメリットではないでしょうか。デメリットは、譲渡所得税がかかることでしょう。譲渡所得税とは、空き家を売って得た利益にかかる税金です。
例えば、昭和55年に建てられた家屋で親が20年間所有した実家を相続したとします。いくらで購入したかは不明で、解体費用が250万円かかったとします。更地にして2,500万円で売却した場合、通常ならば約400万円の税金がかかります。ただし、相続で得た空き家の売却では譲渡所得税に対する特例「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」があります。細かな条件はありますが、要件を満たせば譲渡所得金額(空き家を売って得た利益)から最大3,000万円を控除できるため手取り金額は大きくなります。例に挙げた空き家の場合は、条件をクリアしているため、特別控除が適用され税金はゼロになります。
適用期限は令和5年に法改正され、令和9年12月31日まで延長されました。空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除手続きは、準備と手続きに時間と手間がかかります。早めに税理士に相談することも賢い売却をするポイントです。
・おわりに
空き家の対処には法律や税金だけでなく、建築に関する知識も必要です。「知らなかった」では済まない問題が空き家問題です。近い将来に空き家をもつ可能性があるならば、時間にも心にも余裕がある今から対処方法を考えてみてはいかがでしょうか。
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